原油価格歴史的大暴落、0円割れ
原油価格が0円を下回り、マイナスとなりました。
原油がタダで貰えるどころか、原油を引き取るとお金が貰えます。
訳のわからない未曾有の世界がやってきました。
発端は、中東とロシアの喧嘩です。
ロシアの態度に怒った中東は、石油の大増産を始めました。
ロシアも石油の産出国でヨソの国に売ったりしてるんですが、ロシアの石油はコストがちょっと高いので、石油の量が増え過ぎて価格が安くなると中東より先に採算割れして赤字になってしまいます。中東はそこを狙ったのです。
中東の目論見は成功し、今年の正月に62ドルだった価格は、3月に20ドルとなりました。20年振りの安値水準です。
経済界は大騒ぎになっていましたが、3月末にロシアと中東が仲直り。
原油の生産を減らす事で合意し、石油価格は元の価格へ向けて上昇を始め、めでたしめでたし、
のハズでした。
ところが、石油価格は再び沈降。
仲直り前の最安値も更新してきました。
要因の1つはコロナショックです。
世界中の経済活動が停滞し、石油を消費しなくなっています。
世界中の工場は停止、アメリカのガソリン消費量40%減、歴史的な石油消費減がやってきました。
未曾有の供給過多、未曾有の需要減少が同時に来てしまったのです。
タチが悪い事に、需要減は更に進むのではないかと言われています。
それから原油特有の難題、「置いとくところが無い」。
原油はタンクに入れて置かないといけませんが、タンクが満杯になってしまっています。
原油の産出は急には止まらないので次の原油がやって来ますが、その前にタンクを空けないといけません。
お金を払ってでも持って行って欲しい訳です。
持って行く方からしたら、お金貰えるなら持って行ってもいいんですが、もうちょっと待てばもっと多くのお金が貰えそうなので、今使わない原油を持って行く必要がありません。
第一、持って行く側も自分のタンクは満杯です。
原油価格は原油先物価格で決まるのですが、先物取引の話を始めるとややこしくなるので割愛します。
21日というのが先物取引のポイントになるので、今日大暴落が起きてしまったのですが、ここから更に下がるのか、さすがに下げ過ぎと上に戻すのか、それはわかりません。
市場経済は基本的に先の事はわかりません。解説は常に後付けです。
わかった人は大儲け出来るのでトライしてみて下さい。